72 歳の男性。突然の左眼の視力低下を主訴に来院した。テレビを見ていたところ左眼…
72 歳の男性。突然の左眼の視力低下を主訴に来院した。テレビを見ていたところ左眼が急に見えなくなり、改善しないため受診した。喫煙は20 本/日を50 年間、血圧170/96mmHg。視力は右眼0.3(1.0)、左眼手動弁(矯正不能)。左眼の眼底写真(別冊No. 3)を別に示す。診断はどれか。
- ⑴ 硝子体出血急激な視力低下をきたしますが、眼底が透見しにくくなり、動脈硬化背景の典型像とは異なります。
- ⑵ 加齢黄斑変性中心視力が徐々に低下する疾患で、突然の高度視力低下の典型ではありません。
- ⑶ Vogt-小柳-原田病両眼性のぶどう膜炎で、頭痛や難聴などを伴い、片眼の突然の失明とは異なります。
- ⑷ 網膜静脈分枝閉塞症閉塞領域に火炎状出血がみられ、視力低下は通常これほど高度・急激ではありません。
- ⑸ 網膜中心動脈閉塞症突然の無痛性高度視力低下で、網膜白濁と桜実紅斑が典型的な所見です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。喫煙歴と高血圧のある高齢男性で、突然の無痛性の高度視力低下(手動弁)が起きていることから網膜中心動脈閉塞症が考えられます。眼底では網膜全体の白濁と黄斑部の桜実紅斑(cherry-red spot)が典型的です。網膜静脈分枝閉塞症は火炎状出血が区域性にみられ、視力低下はそれほど急激・高度ではないことが多いです。発症後早期の対応が求められる眼科救急疾患です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成