60歳の男性。高血圧がある。1時間前に突然、胸から背中に移っていく引き裂かれるよ…
60歳の男性。高血圧がある。1時間前に突然、胸から背中に移っていく引き裂かれるような痛みが起こり、救急搬送された。造影CTで、上行大動脈から下行大動脈にかけて大動脈の壁が裂けて二重になっている。心エコーで少量の心膜液と大動脈弁の逆流を認める。この男性への治療として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 血栓を溶かす薬を投与して、血管の中の血の塊を溶かす解離に血栓を溶かす薬を使うと、出血を大きく悪化させます。
- ⑵ 痛みが落ち着くまで降圧と安静を続け、手術は行わない降圧と安静による内科的な治療は上行大動脈に及ばない解離で行うもので、この男性には当てはまりません。
- ⑶ 1か月後に予定の手術として、外来で経過をみる上行大動脈に及ぶ解離は発症直後の死亡率が高く、待つ余裕はありません。
- ⑷ 上行大動脈に及ぶ解離として、緊急に手術を行う上行大動脈に及ぶ解離は、心タンポナーデ、大動脈弁の逆流、冠動脈の閉塞などで急速に死に至るおそれがあり、緊急手術が必要です。
- ⑸ 冠動脈にステントを入れて、心筋の血流を確保する大動脈解離が主な病態で、冠動脈のステント治療は解決になりません。
解説
最も適切なのは、上行大動脈に及ぶ解離として緊急に手術を行うことです。大動脈解離は、上行大動脈に解離が及ぶ型と及ばない型に分けて治療を考えます。上行大動脈に及ぶ場合は、心膜腔への出血による心タンポナーデ、大動脈弁の逆流、冠動脈や脳への血管の閉塞などで急速に死に至るおそれがあり、緊急の人工血管置換術が必要です。上行大動脈に及ばない場合は、合併症がなければ降圧と安静による内科的治療が基本です。
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