64歳の男性。高血圧がある。2時間前に突然、背中に引き裂かれるような激しい痛みが…
64歳の男性。高血圧がある。2時間前に突然、背中に引き裂かれるような激しい痛みが起こり、救急搬送された。造影CTで、胸の大動脈が左鎖骨下動脈の分かれ目より先で裂けており、上行大動脈には裂け目がない。腹部の臓器や下肢への血流は保たれ、意識ははっきりしている。治療方針として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 抗凝固薬と血栓を溶かす薬を投与して、裂け目をふさぐ。血栓を溶かす薬は出血を悪化させ、大動脈解離では禁忌です。
- ⑵ 痛みが治まれば帰宅させ、1か月後に外来で再評価する。急性期は解離の進展や破裂の危険が高く、入院で厳重に管理します。
- ⑶ 降圧と安静、鎮痛で内科的に治療する。上行大動脈に及ばない解離で臓器の虚血や破裂の所見がなければ、降圧と安静による内科的な治療が基本です。
- ⑷ 直ちに胸を開き、上行大動脈を人工血管に置き換える。上行大動脈に裂け目はなく、緊急の上行置換は必要ありません。
- ⑸ 血圧を保つため、昇圧薬を投与して血圧を高めに保つ。血圧を上げると解離が広がり、破裂の危険が高まります。
解説
痛みを抑えて安静にし、静脈内の降圧薬で血圧と脈拍を厳しく下げるのが最も適切です。急性大動脈解離のうち、上行大動脈に裂け目が及ばない型で、臓器への血流障害や破裂の兆候がない場合は、降圧と安静、鎮痛による内科的な治療が基本です。血圧と心拍数を下げて大動脈の壁にかかる力を弱め、解離の広がりを防ぎます。経過中に臓器の虚血や拡大がみられれば、ステントグラフトや手術を考えます。
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