80歳の男性。数年前から尿の勢いが弱かった。この1週間で尿の量が減り、食欲がなく…
80歳の男性。数年前から尿の勢いが弱かった。この1週間で尿の量が減り、食欲がなく、だるさが強くなった。下腹部が膨らみ、超音波検査で膀胱が大きく張り、両側の腎盂が拡張している。血清クレアチニンは4.2 mg/dL、血清カリウムは5.6 mEq/Lであった。尿道にカテーテルを入れると大量の尿が出た。このあと注意すべきこととして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 腎機能が悪いので、水分の摂取を厳しく制限する。解除後の多尿で脱水になりやすく、水分を厳しく制限すると状態が悪化します。
- ⑵ カリウムが高いので、カリウムを含む輸液を追加する。高カリウム血症がある時点でカリウムを追加するのは危険です。
- ⑶ 解除後の多尿による脱水や電解質の異常に注意する。腎後性の急性腎障害では、閉塞の解除後に多尿となり、脱水や低カリウム血症などを起こすことがあります。
- ⑷ 尿が出たのでカテーテルはすぐに抜き、自力で排尿させる。前立腺による閉塞は続いており、すぐに抜くと再び尿閉になります。
- ⑸ 閉塞が解けたので腎機能はその日のうちに正常に戻り、観察は要らなくなる。腎機能の回復には時間がかかり、解除後の多尿による異常にも注意が必要です。
解説
閉塞が解けたあとに尿が大量に出続けることがあり、脱水や電解質の異常に注意するのが適切です。前立腺肥大などで尿の流れが妨げられて起こる腎後性の急性腎障害は、閉塞を解除すれば腎機能の回復が期待できます。ただし、解除の直後には、たまっていた尿素などによる浸透圧利尿や尿細管の濃縮力の低下で多尿となり、脱水、低ナトリウム血症、低カリウム血症などを起こすことがあります。尿量と体重、電解質をこまめに確かめます。
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