88歳の女性。寝たきりで、介護施設に入所している。3日前から発熱があり、水分をほ…
88歳の女性。寝たきりで、介護施設に入所している。3日前から発熱があり、水分をほとんどとれていなかった。本日、意識がもうろうとして受診した。口の中が乾き、血清ナトリウムは162 mEq/Lであった。血圧は保たれている。治療の進め方として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 水分の摂取を制限して、体の中の水分の量を減らす。水分の不足が原因であり、制限するとさらに悪化します。
- ⑵ 利尿薬を投与して、ナトリウムを尿に出させる。利尿薬は水分の不足をさらに強め、脱水を悪化させます。
- ⑶ 高濃度の食塩水を点滴して、体内のナトリウムの量を保つ。高濃度の食塩水はナトリウムをさらに上げ、状態を悪化させます。
- ⑷ ブドウ糖液などで水分を補い、時間をかけてゆっくり下げる。高ナトリウム血症は水分の不足によるもので、脳のむくみを防ぐため時間をかけてゆっくり補正します。
- ⑸ 数時間で正常値まで下げるため、大量の水を急速に点滴する。急に下げると脳の細胞に水が入り込み、脳浮腫やけいれんを起こすおそれがあります。
解説
不足した水分を補うため、ブドウ糖液などで1〜2日かけてゆっくりナトリウムを下げるのが適切です。高齢者では、のどの渇きを感じにくく、自分で水分をとれない状態で発熱などが加わると、体の水分が不足して高ナトリウム血症になります。長く続いた高ナトリウム血症では、脳の細胞が適応しているため、急に下げると細胞に水が流れ込んで脳浮腫を起こします。そのため、自由水を補う輸液で時間をかけて補正します。
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