60歳の男性。アルコール性肝硬変があり、食道静脈瘤から大量に吐血して入院した。内…
60歳の男性。アルコール性肝硬変があり、食道静脈瘤から大量に吐血して入院した。内視鏡で止血したが、2日後から意識がぼんやりし、つじつまの合わない言動が出てきた。手を前に伸ばすと羽ばたくような震えがある。血中アンモニアが上昇している。この意識の変化が起こった主な理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 大量の出血で脳の血管が破れ、脳出血が起こった。羽ばたき振戦とアンモニアの上昇は、脳出血ではなく肝性脳症を示します。
- ⑵ 止血のために使った薬で、血糖が急に上がりすぎた。血糖の上昇ではアンモニアの上昇や羽ばたき振戦は説明できません。
- ⑶ 入院で飲酒が途絶え、アルコールの離脱症状が起こった。離脱では手指の震えや発汗、興奮が目立ちます。アンモニアの上昇は説明できません。
- ⑷ 出血で鉄が失われ、脳に酸素が届かなくなった。貧血の影響だけでは、アンモニアの上昇と羽ばたき振戦は説明できません。
- ⑸ 腸内の血液のたんぱくが分解され、アンモニアが増えた。消化管出血では、腸内の血液のたんぱくからアンモニアが多く作られ、肝臓で処理しきれず肝性脳症を起こします。
解説
腸に出た大量の血液のたんぱくが細菌で分解され、アンモニアが増えたことが主な理由です。肝硬変では肝臓のアンモニアを処理する働きが落ち、門脈の血液が側副路を通って肝臓を迂回するため、アンモニアが脳に届きやすくなっています。消化管出血は腸内のたんぱくを急に増やし、肝性脳症の大きな誘因となります。便秘、感染、脱水、利尿薬、睡眠薬なども誘因で、治療には腸内のアンモニアを減らす薬などを用います。
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