70歳の男性。4日前に急性前壁心筋梗塞を発症したが、受診が遅れて再灌流の治療は受…
70歳の男性。4日前に急性前壁心筋梗塞を発症したが、受診が遅れて再灌流の治療は受けていない。本日、急に息苦しさが強くなり、血圧が82/50 mmHgに下がった。胸骨左縁の下部で、以前にはなかった粗く大きな全収縮期雑音が聞こえ、振戦を触れる。心エコーで心室の壁の中央部に孔があり、左から右へ血液が流れている。最も考えられる合併症はどれか。
- ⑴ 冠動脈が再び詰まって起こる新たな心筋梗塞再梗塞では新たな雑音と心室中隔の孔は説明できません。
- ⑵ 心臓を包む膜に炎症が広がって起こる心膜炎心膜炎では心膜摩擦音を聴取しますが、心室中隔の孔や左右の短絡は起こりません。
- ⑶ 壊死した心室中隔が破れて生じた心室中隔穿孔心筋梗塞の数日後に新たな全収縮期雑音と振戦、ショックが現れ、心室中隔に孔があれば心室中隔穿孔です。
- ⑷ 心房が細かく震える心房細動の発作心房細動では収縮期の雑音や心室の短絡は生じません。
- ⑸ 壊死した部分が膨らんでできる慢性の心室瘤心室瘤は時間をかけてできるもので、急な新しい雑音と短絡は説明できません。
解説
壊死した心室中隔が破れて生じた心室中隔穿孔が最も考えられます。急性心筋梗塞の発症から数日後には、壊死した心筋がもろくなり、心室中隔穿孔、乳頭筋断裂、心室自由壁の破裂などの機械的合併症が起こることがあります。心室中隔穿孔では、左心室から右心室へ血液が流れ込み、胸骨左縁の下部で新たな全収縮期雑音と振戦が現れ、心不全やショックに陥ります。緊急の手術で孔を閉じる必要があります。
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