58歳の男性。1時間半前に突然、強い胸の圧迫感が出現し、冷や汗を伴って続いている…
58歳の男性。1時間半前に突然、強い胸の圧迫感が出現し、冷や汗を伴って続いているため救急搬送された。心電図でⅠ、aVL、V1〜V4誘導にST上昇を認める。血圧138/84 mmHg、脈拍88/分。経皮的冠動脈インターベンションが可能な病院である。最も適切な対応はどれか。
- ⑴ 胸の痛みに鎮痛薬を投与し、痛みが消えれば帰宅させて外来で診る。鎮痛で症状が和らいでも心筋の虚血は続いており、帰宅させると命にかかわります。
- ⑵ 冠動脈の攣縮と考え、カルシウム拮抗薬の内服を始めて外来で様子を見る。持続する胸痛と広範なST上昇は冠動脈の閉塞を示し、内服薬だけで様子を見るのは不適切です。
- ⑶ 心筋の逸脱酵素が上がるのを確かめてから、翌日に治療方針を決める。ST上昇型心筋梗塞では酵素の上昇を待たずに再灌流を急ぎます。時間がたつほど心筋の壊死が広がります。
- ⑷ 運動負荷心電図を行い、虚血の範囲を確かめてから治療を始める。急性心筋梗塞の急性期に運動負荷をかけるのは危険です。
- ⑸ 抗血小板薬を投与し、緊急に冠動脈造影を行って再灌流を図る。発症早期のST上昇型心筋梗塞では、抗血小板薬を投与し、速やかに冠動脈を再開通させることで心筋の壊死を減らせます。
解説
抗血小板薬を投与し、緊急に冠動脈造影を行って再灌流を図るのが最も適切です。持続する強い胸痛と、前壁から側壁の誘導のST上昇は、左前下行枝などの閉塞によるST上昇型急性心筋梗塞を示します。発症から時間がたつほど心筋の壊死が広がるため、アスピリンなどの抗血小板薬を投与し、できるだけ早く経皮的冠動脈インターベンションで閉塞した血管を再開通させます。
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