66歳の男性。2週前に、冠動脈バイパス術のため胸骨の正中を切開する手術を受けた。…
66歳の男性。2週前に、冠動脈バイパス術のため胸骨の正中を切開する手術を受けた。3日前から38.5℃の発熱があり、胸の傷が赤く腫れて膿が出てきた。深く息をしたり咳をしたりすると、胸骨がぐらぐらと動く感じがある。胸部CTで、胸骨の後ろの縦隔に液体と空気がたまっている。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 人工呼吸による肺の圧の上昇で起こった気胸気胸では胸腔に空気がたまり、創部の排膿や縦隔の液体貯留は伴いません。
- ⑵ 胸骨の切開部から感染が深部に広がった縦隔炎胸骨正中切開後の創部の感染が胸骨や縦隔に及ぶと、胸骨の動揺と縦隔の膿瘍を伴う重い縦隔炎になります。
- ⑶ 術後に下肢の静脈から血栓が流れた肺塞栓症肺塞栓症では創部の感染所見や縦隔の膿瘍は説明できません。
- ⑷ 手術の影響で心臓を包む膜に炎症が起きた心膜炎心膜炎では胸骨の動揺や創部の排膿は起こりません。
- ⑸ 手術の傷あとが過剰に盛り上がったケロイドケロイドは傷あとの盛り上がりで、発熱や排膿、縦隔の膿瘍は起こしません。
解説
胸骨の切開部から感染が深部に広がった縦隔炎が最も考えられます。胸骨正中切開による心臓の手術のあとには、創部の感染が胸骨や縦隔へ広がることがあり、発熱、創部の発赤と排膿、胸骨の動揺がみられます。糖尿病や肥満、両側の内胸動脈の使用などで起こりやすくなります。縦隔炎は命に関わるため、抗菌薬に加えて、感染した組織を取り除く手術と、創部の洗浄、ドレナージを行います。
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