70歳の女性。変形性膝関節症のため、人工膝関節置換術を受けた。術後の合併症として…
70歳の女性。変形性膝関節症のため、人工膝関節置換術を受けた。術後の合併症として下肢の深い静脈に血栓ができることを防ぐため、術後早期から行う対策として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 血栓を溶かすため、手術の当日から大量の血栓溶解薬を点滴する。術直後に血栓溶解薬を使うと手術部位から大出血するおそれがあり、予防として行う治療ではありません。
- ⑵ むくみを防ぐため、水分の摂取をできるだけ控えるよう指導する。水分を控えると血液が濃くなり、かえって血栓ができやすくなります。
- ⑶ 術後の痛みを抑えるため、膝の下に枕を入れて膝を曲げたまま過ごす。膝を曲げたまま長く過ごすと膝の裏の静脈が圧迫され、血流が滞ります。
- ⑷ 手術した脚を動かさないよう固定し、1週間はベッドの上で安静を保つ。安静を続けると静脈の血流が滞り、血栓ができやすくなります。
- ⑸ 足首を曲げ伸ばす運動や弾性ストッキングを用い、できるだけ早く歩き始める。下肢の筋を動かして静脈の血流を保ち、早く離床することは、深部静脈血栓症の予防の基本です。
解説
足首を曲げ伸ばす運動や弾性ストッキングを用い、できるだけ早く歩き始めるのが適切です。下肢の大きな手術のあとは、安静による血流の停滞、手術による血管の傷、血液の固まりやすさが重なり、深部静脈血栓症が起こりやすくなります。血栓が肺に流れると肺塞栓症となり命に関わります。ふくらはぎの筋を動かして静脈の血流を保ち、早期に離床することが予防の基本で、危険が高い場合は抗凝固薬も併用します。
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