68歳の男性。慢性腎不全で血液透析を受けている。透析日の前日に果物をたくさん食べ…
68歳の男性。慢性腎不全で血液透析を受けている。透析日の前日に果物をたくさん食べ、本日、手足のしびれと脱力感を訴えて来院した。血清カリウムは7.2 mEq/Lであった。この時点の心電図で最も起こりやすい変化はどれか。
- ⑴ QT時間が延びて、T波が幅広くなる。QT延長は低カルシウム血症などでみられます。高カリウム血症の初期の変化ではありません。
- ⑵ T波が平らになり、U波がはっきり見える。T波の平坦化とU波の出現は、低カリウム血症でみられる変化です。
- ⑶ T波が高く先のとがった形になる。高カリウム血症では心筋の再分極が速くなり、T波が高くとがったテント状になります。
- ⑷ P波が消えて、心拍の間隔がばらばらになる。これは心房細動の所見です。高カリウム血症でP波は平らになりますが、間隔が不規則になる変化とは異なります。
- ⑸ ST部分が弓なりに上がり、異常Q波が出る。これは急性心筋梗塞の経過でみられる変化です。
解説
T波が高く先のとがった形になる変化が最も起こりやすいです。血清カリウムが上がると、心筋の再分極が速くなり、T波が高くとがったテント状になります。さらに上がると、P波が平らになり、QRS幅が広がって、最後は心室細動や心停止に至ることがあります。透析患者では果物などカリウムの多い食品の摂りすぎで高カリウム血症を起こしやすく、心電図の変化があれば直ちに治療します。
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