11歳の男児。学校の健康診断の血液検査で、血清アルカリホスファターゼが成人の基準…
11歳の男児。学校の健康診断の血液検査で、血清アルカリホスファターゼが成人の基準範囲の上限の約3倍と指摘された。この1年で身長が9 cm伸びている。腹痛や黄疸はなく、ほかの肝機能の検査は正常である。この値の解釈として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 骨が盛んに成長している時期で、骨から出る酵素が増えている。成長期の小児では骨をつくる細胞が活発に働き、骨由来のアルカリホスファターゼが成人より高くなります。
- ⑵ 骨に悪性の腫瘍ができていて、骨が壊されて酵素が漏れている。骨の痛みや腫れはなく、身長の伸びと合わせて成長期の生理的な上昇と考えます。
- ⑶ 胆汁の流れがせき止められて、肝臓から出る酵素が増えている。胆汁の流れの障害なら黄疸やほかの肝胆道系の異常を伴います。この男児にはありません。
- ⑷ 副甲状腺の働きが強すぎて、骨からカルシウムが溶け出している。副甲状腺機能亢進症を疑う症状や検査所見はありません。成長期の変化で説明できます。
- ⑸ 肝臓に脂肪がたまって炎症が起こり、肝細胞が壊れている。肝細胞が壊れていればAST やALTが上がります。ほかの肝機能は正常です。
解説
骨が盛んに成長している時期で、骨から出る酵素が増えていると解釈するのが適切です。アルカリホスファターゼは肝臓や胆道だけでなく骨にも多く含まれ、骨をつくる骨芽細胞が活発に働くと血中で増えます。成長期の小児、とくに身長が急に伸びる時期には、成人の基準範囲の数倍になることもあります。黄疸やほかの肝機能の異常がないことから、病的な上昇ではないと考えられます。
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