82歳の女性。進行した認知症があり、介護施設で穏やかに暮らしている。家族は「つら…
82歳の女性。進行した認知症があり、介護施設で穏やかに暮らしている。家族は「つらい検査や手術は望まない」と話している。定期の採血で軽い貧血が見つかり、研修医が原因を詳しく調べるために大腸内視鏡検査を予定しようとしている。指導医の助言として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 異常値は原因を確かめるのが原則なので、全身の造影CTも合わせて検査の予定に入れる。検査を増やせば本人の負担と偶然の異常の発見が増えます。方針に役立つかを考えて選びます。
- ⑵ 貧血の原因として癌を否定する必要があるので、家族の意向にかかわらず検査を行う。結果が出ても家族が治療を望まないのであれば、負担の大きい検査を行う意味は小さくなります。
- ⑶ 検査を受けるかどうかは施設の職員の判断にゆだね、結果が出てから家族に伝える。検査の選択は医師が本人や家族と話し合って決めます。施設の職員にゆだねるのは不適切です。
- ⑷ 貧血は高齢者では正常な変化なので、今後の採血も含めて検査はいっさい行わない。高齢者の貧血も原因のある異常です。方針に役立つ範囲の検査や経過観察は必要です。
- ⑸ 検査の結果によって治療方針が変わるかを考え、本人と家族の意向を踏まえて検査を選ぶ。検査は結果を診療方針に生かすために行います。方針が変わらない負担の大きい検査は、意向を踏まえて見直します。
解説
検査の結果によって治療方針が変わるかを考え、本人と家族の意向を踏まえて検査を選ぶよう助言するのが適切です。検査は、診断をつけて治療や経過の見方を決めるために行うものです。進行した認知症があり、家族がつらい検査や手術を望んでいない場合、大腸内視鏡で病気が見つかっても治療につながらない可能性があります。本人の負担と得られる利益を比べ、意向に沿った検査や経過観察を選ぶことが大切です。
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