研修医が、腰痛で受診した40歳の男性の膝蓋腱反射を調べている。座った姿勢で膝の下…
研修医が、腰痛で受診した40歳の男性の膝蓋腱反射を調べている。座った姿勢で膝の下をハンマーでたたいたが、左右とも反射がはっきりしない。男性は緊張して、太ももに力が入っている様子である。反射を正しく評価するための工夫として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 足首の外くるぶしの後ろをたたき、膝の反射の代わりとして左右を比べる。足首付近の反射は膝とは別の神経の高さを反映します。膝蓋腱反射の代わりにはなりません。
- ⑵ 両手の指を胸の前で組んで左右に引っ張ってもらい、その瞬間に腱をたたく。ほかの部位に力を入れて注意をそらす増強法を使うと、緊張がとれて反射が出やすくなります。
- ⑶ ハンマーを使わず、膝の皿を手のひらで強く押して脚の動きを観察する。膝蓋腱反射は腱をすばやくたたいて筋を伸ばすことで起こります。押すだけでは誘発できません。
- ⑷ 反射が出ないので両下肢の反射は消失と判断し、そのまま診療録に記載する。緊張などで出にくいだけのこともあります。増強法を試してから判断します。
- ⑸ 膝を伸ばしたまま太ももに力を入れてもらい、筋が硬くなったところでたたく。調べる筋に力が入っていると、反射はかえって出にくくなります。力を抜いた状態で調べます。
解説
両手の指を組んで引っ張ってもらい、その瞬間に腱をたたくのが適切です。腱反射は、調べる筋に力が入っていたり、患者が緊張して身構えていたりすると出にくくなります。ほかの部位に力を入れさせて注意をそらす方法を増強法といい、反射が見かけ上なくなっている場合でも誘発されやすくなります。増強法を使っても出ない場合に、はじめて反射の消失と判断します。
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