46歳の女性。昨夜、脂っこい食事のあとから右の肋骨の下に痛みが続き、本日38.0…
46歳の女性。昨夜、脂っこい食事のあとから右の肋骨の下に痛みが続き、本日38.0℃の発熱がある。研修医が、右の肋骨の下に指先を当てて軽く押したまま、患者に深く息を吸ってもらったところ、途中で痛みのため息を止めた。この所見が示すこととして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 息を吸ったことで肋骨が動き、肋骨の骨折した部分がずれて痛んだ。外傷の経過はなく、脂っこい食事のあとの痛みと発熱から、肋骨の骨折は考えにくいです。
- ⑵ 胸の中にたまった液体が息を吸うことで移動し、横隔膜を刺激した。胸水では吸気時の局所の圧痛は通常みられません。押さえた部位で痛みが出る所見とは合いません。
- ⑶ 右下腹部の炎症が腹膜全体に広がり、腹壁が板のように硬くなった。痛みは右の肋骨の下に限られており、腹膜全体に炎症が広がった所見ではありません。
- ⑷ 息を吸って下がってきた胆嚢が指に当たり、炎症のある胆嚢が痛んだ。吸気で下降した胆嚢が押さえた指に当たると、炎症のある胆嚢では痛みで吸気が止まります。急性胆嚢炎を示す所見です。
- ⑸ 右の腎臓に石が詰まり、尿の流れが妨げられて背中に痛みが響いた。尿管結石では背部の叩打痛が目立ち、吸気で前から押したときの痛みでは評価しません。
解説
息を吸って下がってきた胆嚢が指に当たり、炎症のある胆嚢が痛んだことを示しています。右の肋骨の下を押さえたまま深く息を吸ってもらうと、横隔膜とともに肝臓と胆嚢が下がり、押さえた指に当たります。胆嚢に炎症があると、その時点で痛みが強くなって吸気が止まります。脂っこい食事のあとからの右季肋部痛と発熱に、この所見がそろえば急性胆嚢炎を強く疑い、超音波検査で確かめます。
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