62歳の女性。2年前に子宮体癌の手術を受け、骨盤内のリンパ節も一緒に取り除いた。…
62歳の女性。2年前に子宮体癌の手術を受け、骨盤内のリンパ節も一緒に取り除いた。半年前から左の脚全体がむくみ、だるさがある。むくみは指で押しても跡が残りにくく、皮膚は硬く厚くなってきた。痛みや発赤はなく、右脚に異常はない。心臓や腎臓、肝臓の機能は正常である。このむくみの原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 心臓のポンプの働きが落ち、全身の静脈に血液がたまっている。心機能は正常です。心不全のむくみなら両脚に起こります。
- ⑵ 脚の深い静脈に血栓が急にでき、血液の戻りが妨げられている。深部静脈血栓症は急に起こり、痛みや色の変化を伴うことが多いです。半年かけて皮膚が硬くなる経過とは異なります。
- ⑶ 皮膚の下に細菌が感染し、炎症で組織に水分がたまっている。蜂窩織炎では発赤、熱感、痛みを伴います。この女性にはそれらがありません。
- ⑷ 血液中のたんぱくが減り、水分を血管の中に保つ力が落ちている。低たんぱく血症のむくみは両側に起こり、押すと跡が残ります。片脚だけの経過とは合いません。
- ⑸ リンパ節を取り除いたことで、脚からのリンパ液の流れが滞っている。骨盤内のリンパ節郭清のあとには、片側の下肢にリンパ浮腫が起こることがあり、皮膚が硬く厚くなるのが特徴です。
解説
骨盤内のリンパ節を取り除いたことで、脚からのリンパ液の流れが滞ったリンパ浮腫が最も考えられます。子宮や卵巣、前立腺の癌の手術でリンパ節郭清を行ったあとや、放射線治療のあとには、片側の下肢にリンパ浮腫が起こることがあります。たんぱくを多く含むリンパ液が組織にたまるため、押しても跡が残りにくく、長く続くと皮膚が硬く厚くなります。治療の基本は、圧迫や運動、スキンケアです。
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