大規模な列車事故で多数の負傷者が1つの救急病院に運ばれた。人工呼吸器の空きは1台…
大規模な列車事故で多数の負傷者が1つの救急病院に運ばれた。人工呼吸器の空きは1台しかなく、同じ時刻に呼吸不全の患者2人が搬送されてきた。担当医は、社会的な地位や知人かどうかではなく、救命の見込みという同じ基準を2人にあてはめて使用する患者を決めた。この判断が主に拠りどころとしている倫理原則はどれか。
- ⑴ 診療で知った患者の秘密を本人の同意なく他人に漏らさない守秘の原則守秘は患者情報の扱いに関する義務です。資源の配分を決める場面とは別の問題です。
- ⑵ 判断能力のある患者が自分で受ける治療を選ぶことを尊重する自律尊重の原則自律尊重は患者本人の選択を尊重する原則です。この場面は2人の間で資源をどう分けるかの判断です。
- ⑶ 患者に危害を加えたり危険にさらしたりしないよう努める無危害の原則無危害は害を避ける原則です。この判断の核心は、2人に同じ基準をあてはめた公平さにあります。
- ⑷ 限られた医療資源を、誰に対しても同じ基準で公平に配分する正義の原則資源が足りないときに、立場や縁故ではなく同じ基準で配分を決めるのは、正義(公正)の原則にあたります。
- ⑸ 患者にとって最善となる利益をもたらすよう行動する善行の原則善行は目の前の患者の利益をはかる原則です。誰に配分するかを同じ基準で決める点は、公平さの問題です。
解説
この判断が拠りどころとしているのは正義の原則です。医の倫理の4原則は、自律尊重・善行・無危害・正義です。このうち正義は、限られた医療資源を公平に配分することを求めます。人工呼吸器が1台しかない場面で、社会的な地位や知人かどうかではなく、救命の見込みという同じ基準を2人にあてはめて決めたことは、この原則に沿った行動です。自律尊重や善行は、主に患者1人に対する関わり方を示す原則です。
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