38歳の男性。1週前から倦怠感と食欲低下があり、3日前から黄疸が出てきた。本日、…
38歳の男性。1週前から倦怠感と食欲低下があり、3日前から黄疸が出てきた。本日、家族が「話のつじつまが合わず、昼間から眠ってばかりいる」と連れてきた。手を前に伸ばすと手首がはばたくように震える。プロトロンビン時間は著しく延長している。HBs抗原とIgM型HBc抗体が陽性である。対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 急性肝不全として、移植施設と連携して集中治療を行う。急性肝炎に意識障害と凝固の著しい低下が加わった急性肝不全で、救命のため移植を含めた治療を検討します。
- ⑵ B型肝炎のワクチンを接種して、ウイルスを排除する。すでに感染しており、ワクチンで肝炎は治りません。
- ⑶ 眠気が強いので、睡眠薬を中止して経過を見る。眠気は肝性脳症によるもので、睡眠薬の問題ではありません。
- ⑷ 凝固の異常があるので、肝臓の組織を採って診断を確かめてから治療を考える。出血の危険が高い状態で、肝生検を先に行うのは危険です。
- ⑸ 急性肝炎は自然に治るので、自宅で安静にして経過を見る。意識障害を伴う急性肝不全は命にかかわり、自宅での経過観察は危険です。
解説
肝臓の働きが急に失われていると考え、肝移植のできる専門施設と連携して集中治療を行うのが最も適切です。急性B型肝炎の経過中に、意識がぼんやりし、手のはばたくような震えがみられ、プロトロンビン時間が著しく延長しているのは、肝臓の働きが急速に失われた急性肝不全(劇症肝炎)を示します。死亡率が高く、抗ウイルス薬や血漿交換などの集中治療を行い、改善しなければ肝移植を考えます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。