32歳の男性。けんかで右の胸を刃物で刺され、救急搬送された。右胸の傷から、息を吸…
32歳の男性。けんかで右の胸を刃物で刺され、救急搬送された。右胸の傷から、息を吸うたびにシューシューと空気が出入りする音がし、泡の混じった血液が出ている。呼吸は苦しそうで、右の呼吸音が弱い。救急外来でまず行う応急処置として最も適切なのはどれか。
- ⑴ フィルムで傷を覆い、一辺を開けて三辺をテープで留める。胸壁の開いた傷から空気が出入りする開放性気胸では、空気が外へ逃げられるように三辺だけを留めて覆います。
- ⑵ 傷を厚いガーゼで覆い、四辺を隙間なくテープで密閉する。完全に密閉すると、胸腔にたまった空気の逃げ道がなくなり、緊張性気胸に進むおそれがあります。
- ⑶ 傷はそのままにして、患者を仰向けにして経過を見る。空気が出入りしたままでは呼吸が保てず、放置は危険です。
- ⑷ 傷の中に指を入れて、出血している血管を探す。傷の中を探ると、出血や感染が悪化します。
- ⑸ 傷の上から胸を強く押さえつけて、呼吸を止めてもらう。胸を圧迫して呼吸を止めると、低酸素がさらに悪化します。
解説
傷を清潔なフィルムで覆い、四辺のうち一辺を開けて三辺をテープで留めるのが最も適切です。胸壁の傷から胸腔と外気が通じる開放性気胸では、息を吸うたびに傷から空気が入り込み、肺がしぼんで呼吸ができなくなります。三辺だけを留めて覆うと、息を吸うときは傷がふさがり、吐くときは胸腔の空気が外へ逃げられます。完全に密閉すると緊張性気胸を起こすおそれがあります。その後、胸腔ドレーンを入れます。
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