62歳の男性。僧帽弁閉鎖不全症を指摘されている。3週前に歯を抜く治療を受けた。2…
62歳の男性。僧帽弁閉鎖不全症を指摘されている。3週前に歯を抜く治療を受けた。2週前から38℃前後の発熱が続き、だるさと食欲低下がある。心尖部で以前からある収縮期雑音が強くなっている。手の指の爪の下に、細い線状の出血がみられる。診断のために最も重要な検査はどれか。
- ⑴ 尿を採って、尿の中の細菌を調べて診断を確かめる。尿の検査は補助的で、心臓の弁の感染の診断には血液培養が欠かせません。
- ⑵ 複数回、血液培養を行う。心臓の弁に付いた細菌は血液中に流れ出し続けます。複数回の血液培養で菌を確かめることが診断の柱です。
- ⑶ 胃の内視鏡検査で、消化管からの出血がないかを確かめる。消化管の出血を示す症状はなく、爪の下の出血は小さな血管の塞栓によるものです。
- ⑷ 頭部のMRIで、脳の中に腫瘍がないかを調べる。神経の症状はなく、まず原因菌を確かめることが優先されます。
- ⑸ 喀痰を採って、結核菌の有無を調べる。咳や痰の症状はなく、発熱と心雑音の変化からは心臓の弁の感染を考えます。
解説
時間を変えて複数回、血液を採って培養する検査が最も重要です。弁膜症のある人が歯の治療のあとに発熱を続け、心雑音が変化し、爪の下に線状の出血がみられることから、感染性心内膜炎が疑われます。弁に付いた細菌の塊からは菌が血液中に流れ出し続けるため、抗菌薬を始める前に複数回の血液培養で原因菌を確かめます。あわせて心エコーで弁に付いた塊(疣腫)を探します。
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