35歳の男性。昨夜、宴会で大量に飲酒し、帰宅後に何度も激しく吐いた。そのうち、最…
35歳の男性。昨夜、宴会で大量に飲酒し、帰宅後に何度も激しく吐いた。そのうち、最後の嘔吐で鮮やかな赤い血が混じった。血圧と脈拍は安定しており、腹痛はない。肝疾患の既往はない。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 食道全体の壁が破れ、胸の中に胃の内容物が漏れ出た。食道の全層が破れると、激しい胸痛やショックを伴います。本例は全身状態が安定しています。
- ⑵ 肝臓の硬化によって食道の静脈が太くなり、それが破れた。食道静脈瘤は肝硬変を背景に起こります。本例は肝疾患の既往がありません。
- ⑶ 胃の出口に癌ができて狭くなり、そこから出血した。胃癌ではもっと前から食欲低下や体重減少などがみられます。急な経過とは合いません。
- ⑷ 激しい嘔吐で、食道と胃のつなぎ目の粘膜が縦に裂けた。繰り返す嘔吐の後に吐血するのは、食道と胃の境目の粘膜が裂けるマロリー・ワイス症候群の典型です。
- ⑸ 胃の粘膜に深い潰瘍ができ、その底の動脈が破れた。潰瘍の出血は嘔吐を繰り返したことと結びつかず、上腹部痛を伴うことが多いです。
解説
激しい嘔吐によって、食道と胃のつなぎ目の粘膜が縦に裂けたマロリー・ワイス症候群が最も考えられます。大量飲酒の後に嘔吐を繰り返すと、胃の内圧が急に上がり、境目の粘膜が裂けて出血します。多くは自然に止まります。食道の全層が破れた場合は激しい胸痛や全身状態の悪化を伴い、静脈瘤からの出血は肝硬変を背景に起こるため、本例とは異なります。
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