70歳の男性。慢性閉塞性肺疾患で通院中。数日前からの息苦しさの悪化で受診した。診…
70歳の男性。慢性閉塞性肺疾患で通院中。数日前からの息苦しさの悪化で受診した。診察すると、口唇と舌が紫色を帯びている。手足は温かく、手指の色は正常に近い。この所見が示すこととして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 寒さで手足の細い血管が縮み、末梢で酸素が多く使われている。末梢の血流低下によるものは手指や足先に現れ、舌の色は保たれます。本例は手足が温かいです。
- ⑵ 肺で酸素が十分に取り込めず、動脈血の酸素が足りない。舌や口唇など体の中心部の粘膜が紫色になるのは、動脈血そのものの酸素が不足しているためです。
- ⑶ 血液中のヘモグロビンが大きく減り、皮膚の赤みが失われている。高度の貧血では顔色が白っぽくなり、紫色にはなりにくいです。紫色はむしろ現れにくくなります。
- ⑷ 血液中のビリルビンが増え、粘膜に色素が沈着している。ビリルビンの増加では皮膚や眼球結膜が黄色くなります。紫色にはなりません。
- ⑸ 口腔内の細菌が増えて、舌の表面に色の付いた苔がついている。舌苔は舌の表面の付着物で、口唇の紫色は説明できず、酸素の不足を示すものではありません。
解説
肺での酸素の取り込みが不十分で、動脈血の酸素が足りなくなっていることを示します。舌や口唇のような体の中心部の粘膜が紫色を帯びるのは中心性チアノーゼで、動脈血の段階で酸素と結びついていないヘモグロビンが増えていることを意味します。寒さなどで末梢の血流が落ちる末梢性チアノーゼでは手足の先に色が出て、舌の色は保たれます。慢性閉塞性肺疾患の悪化による低酸素血症が考えられます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。