48歳の女性。乳癌に対して乳房切除術を受けた。手術は問題なく終わったが、後日、女…
48歳の女性。乳癌に対して乳房切除術を受けた。手術は問題なく終わったが、後日、女性は「乳房を残す手術も自分には可能だったのに、その説明が無かった」として病院に損害賠償を求めた。診療録からは、乳房温存療法の適応があったこと、それについて説明した記録が無いことが確認された。この請求で主に問われているのはどれか。
- ⑴ 手術の前に必要な検査を省略した注意義務違反検査の省略が問題になった事情は示されていません。争点は治療法の説明です。
- ⑵ 適応のある他の治療法を示さず、患者が選ぶ機会を奪った説明義務違反医師には、適応のある治療法とそれぞれの利害を説明し、患者が選べるようにする義務があります。
- ⑶ 手術の手技に誤りがあり、予定外の組織を傷つけた手技上の過失手術は問題なく終わっており、手技の誤りは問題になっていません。
- ⑷ 患者の病状を第三者に漏らしたことによる守秘義務違反情報の漏えいがあった事情は示されていません。
- ⑸ 患者からの診療の求めに応じなかったことによる応召義務違反診療は行われており、診療を拒んだ事情はありません。
解説
主に問われているのは、適応のある他の治療法を示さなかった説明義務違反です。医師は、患者が治療を自分で選べるよう、適応のある治療法とそれぞれの利点や危険を説明する義務を負います。手術そのものに誤りがなくても、選ぶ機会を奪ったことが責任の根拠になり得ます。本例では手技や検査の誤り、情報の漏えい、診療の拒否はなく、診療録に説明の記録が無いことが争点です。
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