45歳の女性。症状はない。健康診断の腹部超音波検査で肝臓に2 cmの腫瘤を指摘さ…
45歳の女性。症状はない。健康診断の腹部超音波検査で肝臓に2 cmの腫瘤を指摘された。肝炎ウイルスは陰性で、肝機能と腫瘍マーカーは正常である。超音波で腫瘤は境界のはっきりした明るく白っぽい像を示す。造影CTで、腫瘤は動脈相で辺縁からまだらに染まり始め、時間とともに中心に向かって徐々に染まっていき、遅い相でも周囲と同じ程度に染まっている。最も考えられる病変と方針の組合せとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 良性の血管腫で、症状がなければ画像で経過を見る。辺縁から中心へ徐々に染まり遅い相まで染まりが残るのは肝血管腫の特徴で、多くは治療を要しません。
- ⑵ 細菌がたまった肝膿瘍で、針を刺して膿を出す。症状や炎症の所見がなく、造影の様式も膿瘍とは異なります。
- ⑶ 寄生虫による嚢胞で、駆虫薬を長期間投与する。嚢胞は造影されず、徐々に染まる腫瘤とは異なります。
- ⑷ 肝細胞癌で、すぐに肝臓の部分切除を行う。肝細胞癌は動脈相で全体が強く染まり、遅い相で抜けるのが特徴で、背景の肝疾患もありません。
- ⑸ 大腸癌の肝転移で、すぐに抗癌薬を始める。転移では辺縁が輪状に染まり中心は染まりにくく、原発の癌も見つかっていません。
解説
肝臓の良性の血管腫で、症状がなければ定期的な画像による経過観察とするのが最も適切です。肝血管腫は最も多い肝臓の良性腫瘍で、多くは健康診断などで偶然に見つかります。超音波で明るい高エコーの腫瘤として見え、造影CTやMRIでは辺縁から中心へ向かって徐々に染まり、遅い相まで染まりが残る特徴があります。大きくなって症状が出る場合などを除き、治療の必要はありません。
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