64歳の男性。30年前に肺結核を治療した。最近、ときどき血の混じった痰が出る。胸…
64歳の男性。30年前に肺結核を治療した。最近、ときどき血の混じった痰が出る。胸部CTで、右上葉の以前の結核でできた空洞の中に、丸い塊があり、塊と空洞の壁の間に三日月形の空気が見える。うつ伏せで撮影すると塊の位置が動いた。最も考えられる状態はどれか。
- ⑴ 空洞の壁から肺癌が生じて大きくなった状態癌は壁から生じるため、体位で位置が動くことはありません。
- ⑵ 結核菌が再び増えて活動を始めた状態結核の再燃では空洞の中で動く球状の塊はできません。
- ⑶ 寄生虫が空洞の中で育って塊になった状態アニサキスは消化管に寄生する虫で、肺の空洞で塊を作ることはありません。
- ⑷ 細菌が空洞にたまって膿瘍になった状態肺膿瘍では液面を伴う空洞になり、動く球状の塊にはなりません。
- ⑸ 空洞の中でかびが増えて塊になった状態既存の空洞内で動く球状の塊と三日月形の空気は、アスペルギルスの菌球を示し、血痰の原因になります。
解説
古い空洞の中でかびが増えて塊になった状態で、原因はアスペルギルスです。結核や気管支拡張症などで肺に空洞が残ると、空気中に広くいるアスペルギルスが空洞の中で増え、菌の塊である菌球を作ります。画像では空洞内の球状の影と、その上の三日月形の空気が特徴で、体位で塊が動きます。血痰や喀血の原因になり、大量の喀血では命にかかわるため、抗真菌薬や手術を検討します。
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