70歳の男性。直腸癌に対して直腸を切除し、腸をつなぎ合わせる手術を受けた。術後4…
70歳の男性。直腸癌に対して直腸を切除し、腸をつなぎ合わせる手術を受けた。術後4日目までは経過は順調であったが、5日目に38.6℃の発熱と下腹部の痛みが出た。吻合部の近くに置いた腹腔ドレーンから、濁った茶色で便のにおいのする排液が出ている。白血球とCRPが上昇している。最も考えられる状態はどれか。
- ⑴ 尿道カテーテルから細菌が入り、膀胱に炎症が起きている。尿路感染ではドレーンから便のような排液は出ず、下腹部の所見も異なります。
- ⑵ 腸のつなぎ目がほころび、腸の内容が腹腔に漏れている。術後数日での発熱と腹痛、ドレーンからの便のような排液は、吻合部の縫合不全を示します。
- ⑶ 腸の動きが一時的に止まり、ガスと腸液がたまっている。術後の腸の動きの低下では、ドレーンから便のような排液が出ることはありません。
- ⑷ 肺の一部がつぶれて空気が入らなくなり、熱が出ている。無気肺は術後早期の発熱の原因ですが、ドレーンの排液の変化は説明できません。
- ⑸ 手術の傷の皮膚の下に細菌が感染し、膿がたまっている。創部の感染では傷の発赤や膿が見られ、腹腔ドレーンから便のような液は出ません。
解説
腸をつないだ部分がほころび、腸の内容が腹腔に漏れている縫合不全が最も考えられます。縫合不全は消化管の手術後の重い合併症で、術後3〜7日ごろに、発熱、腹痛、炎症反応の上昇とともに、ドレーンから便のような排液や膿が出ることで気づかれます。直腸の手術で起こりやすく、栄養状態の不良や糖尿病、喫煙なども危険を高めます。範囲が広い場合は腹膜炎になるため、再手術で人工肛門を造ることもあります。
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