38歳の女性。今朝、鏡を見ると左の口角が下がっており、水を飲むと左の口からこぼれ…
38歳の女性。今朝、鏡を見ると左の口角が下がっており、水を飲むと左の口からこぼれる。左のまぶたが閉じきらず、左の額にしわを寄せることもできない。手足の麻痺や言葉の障害はなく、耳の周りに水疱はない。この麻痺について最も適切なのはどれか。
- ⑴ 口角が下がっているので、舌を動かす舌下神経の麻痺と考える。舌下神経は舌の動きを担い、口角や額の動きとは関係しません。
- ⑵ まぶたが閉じないので、まぶたを上げる動眼神経の麻痺と考える。まぶたを閉じるのは顔面神経が支配する筋で、動眼神経はまぶたを上げる働きを担います。
- ⑶ 額も動かないので、脳の外で顔面神経そのものが障害された麻痺と考える。額を含む顔の片側全体の麻痺は末梢性の顔面神経麻痺を示し、原因の多くはベル麻痺です。
- ⑷ 顔の感覚を伝える三叉神経が障害され、筋が動かなくなったと考える。三叉神経の障害は顔の感覚の低下やかむ力の低下で、表情の筋の麻痺は起こしません。
- ⑸ 額が動かないので、反対側の大脳の運動野に脳梗塞が起きたと考える。大脳の障害による顔面の麻痺では、額は両側から支配されているため動きが保たれます。
解説
額も動かないので、脳の外で顔面神経そのものが障害された末梢性の麻痺と考えます。額の筋は左右両方の大脳から指令を受けているため、脳梗塞など大脳の障害では額のしわ寄せは保たれます。片側の額から口までの全体が動かないときは末梢性の顔面神経麻痺で、急に起こり原因の分からないものをベル麻痺といいます。目が閉じにくいため角膜の保護も大切です。
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