50歳の男性。健康診断で白血球数の増加を指摘された。自覚症状はほとんどないが、左…
50歳の男性。健康診断で白血球数の増加を指摘された。自覚症状はほとんどないが、左季肋部に大きな脾臓を触れる。白血球数85,000/μLで、骨髄球や後骨髄球などさまざまな成熟段階の好中球系の細胞が見られ、好塩基球も増えている。芽球は少ない。この病気について正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 好中球のアルカリホスファターゼの活性が、著しく高くなっている。慢性骨髄性白血病では好中球アルカリホスファターゼの活性は低下するのが特徴です。
- ⑵ 診断の時点で、骨髄の細胞の大部分が芽球で占められている。慢性期では芽球は少なく、さまざまな成熟段階の細胞が増えます。芽球が大部分を占めるのは急性転化の状態です。
- ⑶ 9番と22番の染色体の転座で、BCRとABLの融合遺伝子が生じている。慢性骨髄性白血病では9番と22番の転座でフィラデルフィア染色体ができ、BCRとABLの融合遺伝子が生じます。
- ⑷ 融合遺伝子が作る酵素を抑えるチロシンキナーゼ阻害薬が効く。融合遺伝子の産物は常に活性化したチロシンキナーゼで、これを阻害する薬で長期の寛解が得られます。
- ⑸ 白血球は増えているが、好中球の数そのものは著しく減っている。慢性骨髄性白血病では好中球系の細胞が成熟段階を問わず増えており、好中球は減っていません。
解説
9番と22番の染色体の転座で融合遺伝子が生じていることと、チロシンキナーゼ阻害薬が効くことが正しいです。著しい白血球の増加、さまざまな成熟段階の好中球系細胞と好塩基球の増加、脾臓の腫大は慢性骨髄性白血病の特徴です。フィラデルフィア染色体によるBCRとABLの融合遺伝子が原因で、その産物の働きを抑える分子標的薬により多くの患者で長期の寛解が得られるようになりました。
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