62歳の女性。子どものころにリウマチ熱にかかったことがある。1年前から動悸と労作…
62歳の女性。子どものころにリウマチ熱にかかったことがある。1年前から動悸と労作時の息切れがある。脈は不規則で、心電図で心房細動を認める。心尖部で拡張期のゴロゴロとした低い雑音を聴取し、第Ⅰ音が亢進している。心エコーで僧帽弁の弁口が狭く、左房が大きく拡大している。この患者で特に予防が重要な合併症はどれか。
- ⑴ 拡大した左房にできた血栓による脳塞栓僧帽弁狭窄で拡大した左房に心房細動が加わると血液がよどんで血栓ができやすく、脳塞栓の予防に抗凝固療法を行います。
- ⑵ 右室の流出路の狭窄による無酸素発作無酸素発作はファロー四徴症の小児に起こるもので、この患者には当てはまりません。
- ⑶ 肥大した心室中隔による突然死心室中隔の肥大による突然死は肥大型心筋症で問題になるもので、この患者の病態とは異なります。
- ⑷ 大動脈の壁が裂ける急性大動脈解離大動脈解離は高血圧や結合組織の病気が背景で、僧帽弁狭窄に特に合併しやすいわけではありません。
- ⑸ 大動脈弁の狭窄による狭心症と失神狭心症や失神は大動脈弁狭窄症の主な症状で、この患者の僧帽弁の病変とは異なります。
解説
拡大した左房にできた血栓による脳塞栓が、特に予防が重要な合併症です。リウマチ熱の既往、心尖部の拡張期ランブル、第Ⅰ音の亢進、心エコーでの弁口の狭小化は僧帽弁狭窄症を示します。左房は圧が上がって大きく拡大し、心房細動を合併しやすく、血液がよどんで血栓ができ、脳塞栓を起こしやすくなります。このため抗凝固療法を行い、弁の狭窄の程度によりカテーテル治療や手術を検討します。
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