64歳の男性。2週前に肺炎と診断され抗菌薬で治療を受けたが、熱が下がりきらず、右…
64歳の男性。2週前に肺炎と診断され抗菌薬で治療を受けたが、熱が下がりきらず、右の胸の痛みが強くなってきた。胸部CTで右胸腔に液体の貯留を認め、胸腔穿刺で黄白色の濁った液体が採取された。胸水のpHは低く、糖は著しく低値で、グラム染色で細菌を認める。最も適切な対応はどれか。
- ⑴ 心不全による胸水と考え、利尿薬を投与して胸水の量を減らす。心不全による胸水は透明な漏出液で、膿性の胸水や細菌の検出は説明できません。
- ⑵ 胸腔にドレーンを入れて膿を排出し、抗菌薬の投与を続ける。膿性の胸水、低いpHと糖、細菌の検出は膿胸を示し、抗菌薬に加えて胸腔ドレナージで膿を排出することが必要です。
- ⑶ 癌の胸膜への転移を考え、胸膜を癒着させる薬を胸腔に注入する。感染による膿胸に胸膜を癒着させる処置を行うと、膿が閉じ込められ悪化します。
- ⑷ 結核による胸膜炎と考え、抗結核薬を開始して抗菌薬を中止する。結核性胸膜炎はリンパ球が主体の滲出液で、膿性で一般細菌が見られるこの胸水とは異なります。
- ⑸ 胸水は肺炎に伴う反応なので、抗菌薬を続けて自然に吸収されるのを待つ。膿胸は抗菌薬だけでは治りにくく、排出しないと胸膜が厚くなって肺が広がらなくなります。
解説
胸腔にドレーンを入れて膿を排出し、抗菌薬の投与を続けるのが最も適切です。肺炎に伴う胸水のうち、膿性であるもの、pHや糖が低いもの、細菌が検出されるものは、膿胸または複雑性の胸水と判断し、抗菌薬だけでなく胸腔ドレナージが必要です。排出が遅れると胸膜が厚く硬くなって肺が広がらなくなり、手術が必要になることがあります。隔壁がある場合は胸腔鏡による処置も検討します。
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