在胎29週、出生体重1,200 gで出生した女児。出生直後から呼吸のたびにうなる…
在胎29週、出生体重1,200 gで出生した女児。出生直後から呼吸のたびにうなるような声を出し、胸の下部がへこむ陥没呼吸と、鼻翼呼吸、チアノーゼが進行している。胸部エックス線写真では両肺が全体に白っぽくすりガラス状に見え、肺の中に気管支の走行が黒く浮き出ている。最も適切な治療はどれか。
- ⑴ 細菌感染による肺炎と考え、抗菌薬の点滴を開始する。感染を考えて抗菌薬を使うことはありますが、それだけでは肺サーファクタント不足による呼吸障害は改善しません。
- ⑵ 胎便を吸い込んだと考え、気管を繰り返し洗浄して胎便を取り除く。胎便の吸引は過期産児などに多く、29週の早産児の両肺のすりガラス状の陰影とは合いません。
- ⑶ 肺に空気が漏れたと考え、胸腔にドレーンを入れて脱気する。気胸では患側が黒く見えますが、この写真は両肺が白っぽく、空気の漏れではありません。
- ⑷ 肺の中の羊水を吸収させるため、酸素を少し与えて自然に回復するのを待つ。肺の水分の吸収が遅れる病態は正期産児に多く数日で改善しますが、この早産児の重い症状とは異なります。
- ⑸ 気管内に肺サーファクタントを投与し、呼吸を補助する。早産児の肺サーファクタント不足による呼吸窮迫症候群で、気管内への投与で肺胞がふくらみやすくなります。
解説
気管内に肺サーファクタントを投与し、呼吸を補助するのが最も適切です。肺サーファクタントは肺胞の表面張力を下げて肺胞がつぶれないようにする物質で、在胎34週ごろまでは十分に作られません。不足すると肺胞がつぶれて呼吸窮迫症候群となり、出生直後から呻吟、陥没呼吸、チアノーゼが進みます。胸部エックス線写真で両肺がすりガラス状になり、気管支が黒く浮き出て見えるのが特徴です。
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