生後18 時間の男児。呼吸心拍モニターのアラームが鳴ったため、診察している。在胎…
生後18 時間の男児。呼吸心拍モニターのアラームが鳴ったため、診察している。在胎31 週、体重1,600 g、Apgar スコア7 点(1 分)、9 点(5 分)で出生した。早産と低出生体重児のためNICU に入院した。生後18 時間ごろに呼吸心拍モニターのアラームが1 ~2 分鳴ったが自然に改善した。診察中、呼吸心拍モニターのアラームは鳴っていない。体温37.0 ℃。心拍数140/分、整。血圧70/40mmHg。呼吸数50/分。SpO2 98 %(room air)。皮膚は赤く、チアノーゼは認めない。大泉門は開大している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。アラームが鳴っていた時の心拍数、SpO2 および胸郭の動きを記録した呼吸心拍モニター画面(別冊No. 10)を別に示す。最も考えられる疾患はどれか。
- ⑴ Fallot 四徴症Fallot四徴症ではチアノーゼと心雑音を認めますが、本例は心音に異常がなく、SpO2も正常です。
- ⑵ 一過性多呼吸一過性多呼吸は生後早期からの多呼吸が持続する病態で、間欠的な無呼吸とは異なります。
- ⑶ Ⅱ度房室ブロックⅡ度房室ブロックでは呼吸停止を伴わずに徐脈が生じます。本例は胸郭運動の停止が先行していると考えられます。
- ⑷ 未熟児無呼吸発作呼吸中枢が未熟な早産児に、胸郭運動の停止に続く徐脈とSpO2低下が反復するのが特徴です。
- ⑸ Wilson-Mikity 症候群Wilson-Mikity症候群は生後数週以降に進行する慢性肺疾患で、生後18時間の一過性発作とは合いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。在胎31週の早産児で、モニター上は胸郭の動きが止まり、それに続いて心拍数低下とSpO2低下がみられ、自然に回復した経過と考えられます。診察時には異常がなく、呼吸障害や心疾患を示す所見もないことから、未熟児無呼吸発作が最も考えられます。呼吸中枢の未熟性によるもので、在胎週数が短いほど多く、20秒以上の呼吸停止、または徐脈やチアノーゼを伴う短い呼吸停止と定義されます。治療には刺激、カフェインの投与、呼吸補助が用いられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成