21歳の男性。大学生。半年前から講義に出なくなり、自室にこもるようになった。家族…
21歳の男性。大学生。半年前から講義に出なくなり、自室にこもるようになった。家族に「隣の家の人が自分の悪口を言っている声がずっと聞こえる」「自分の考えが周りに伝わってしまう」と訴えている。意識は清明で、薬物の使用歴はなく、身体の診察や血液検査に異常はない。治療の中心となる薬として最も適切なのはどれか。
- ⑴ ベンゾジアゼピン受容体に作用して不安を和らげる抗不安薬抗不安薬は不安や不眠を一時的に和らげますが、幻覚や妄想そのものを治療する薬ではありません。
- ⑵ ドパミン受容体を遮断して幻覚や妄想を抑える抗精神病薬幻聴や考えが伝わる体験が続き、社会的な引きこもりを伴う経過は統合失調症を示し、治療の中心は抗精神病薬です。
- ⑶ ドパミンの放出を増やして注意力を高める中枢刺激薬中枢刺激薬はドパミンの働きを強めるため、幻覚や妄想を悪化させるおそれがあります。
- ⑷ セロトニンの再取り込みを阻害して気分を改善する抗うつ薬抗うつ薬はうつ病などの治療薬です。幻聴や思考の伝わる体験を中心とする病態の治療の中心にはなりません。
- ⑸ 気分の波を小さくするために用いる炭酸リチウムなどの薬気分安定薬は双極性障害の治療薬で、この患者のような幻聴と妄想を中心とする症状の治療の中心にはなりません。
解説
ドパミン受容体を遮断して幻覚や妄想を抑える抗精神病薬が治療の中心です。この男性は、悪口を言う声が聞こえる幻聴や、自分の考えが周りに伝わってしまうという体験が続き、引きこもりなどの陰性症状も見られます。意識障害や薬物、身体疾患がないことから統合失調症が考えられます。抗精神病薬に加え、心理社会的な支援や家族への支援を組み合わせて治療します。
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