70歳の男性。健康診断で前立腺特異抗原の高値を指摘されて受診した。排尿困難は軽度…
70歳の男性。健康診断で前立腺特異抗原の高値を指摘されて受診した。排尿困難は軽度である。直腸指診を行ったとき、前立腺癌を最も疑う所見はどれか。
- ⑴ 強い圧痛と熱感があり、触れると患者が痛がって腰を引く。強い圧痛と熱感は急性前立腺炎の所見で、発熱や排尿時痛を伴うことが多いです。
- ⑵ 表面が不整で、石のように硬い結節を一部に触れる。前立腺癌は辺縁域に生じることが多く、直腸指診で硬く不整な結節として触れることがあります。
- ⑶ 全体が弾力のある硬さで、表面は平らに大きくなっている。弾性のある硬さで表面が平滑な均一な腫大は、前立腺肥大症に典型的な所見です。
- ⑷ 肛門の入り口に、柔らかく押すとへこむふくらみを触れる。肛門の入り口の柔らかいふくらみは痔核などの所見で、前立腺の評価には当たりません。
- ⑸ 前立腺の中央の溝がはっきり触れ、左右の大きさが等しい。中央の溝が触れ左右対称なのは正常の前立腺に近い所見で、癌を疑う根拠にはなりません。
解説
表面が不整で石のように硬い結節を触れる所見が、前立腺癌を最も疑う所見です。前立腺癌は直腸に接する辺縁域に生じやすく、直腸指診で硬く不整な結節として触れることがあります。前立腺肥大症は移行域から生じ、弾性のある硬さで表面が平滑な腫大として触れます。強い圧痛と熱感は急性前立腺炎の所見で、炎症が疑われる時は強く押さないよう注意します。
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