22歳の男性。1型糖尿病でインスリン治療中。3日前から胃腸炎で食事がとれず、自己…
22歳の男性。1型糖尿病でインスリン治療中。3日前から胃腸炎で食事がとれず、自己判断でインスリンを中止していた。本日、嘔吐と腹痛が強くなり受診した。深く大きな呼吸が規則正しく速く続いており、呼気に果物のような甘い臭いがある。この呼吸の意味として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 肺に水がたまって酸素を取り込みにくくなり、浅く速い呼吸になっている。肺水腫では浅く速い呼吸が多く、深く大きな呼吸と甘い呼気臭の組合せは説明できません。
- ⑵ 脳幹の呼吸中枢が障害され、深い呼吸と止まる時期が交互に現れている。呼吸の深さが周期的に変わり無呼吸を挟むのはチェーン・ストークス呼吸で、規則正しい深い呼吸とは異なります。
- ⑶ 気道が狭くなっているため、息を吐く時間が長くなり呼吸が苦しくなっている。呼気の延長は気管支喘息などの閉塞性の病態の所見で、ケトアシドーシスの呼吸ではありません。
- ⑷ 不安が強まって過剰に換気しており、血液がアルカリ性に傾きつつある。過換気症候群では血液はアルカリ性に傾きますが、この患者では糖尿病の経過から酸性に傾いていると考えます。
- ⑸ 血液が酸性に傾いたため、二酸化炭素を多く吐き出して補おうとしている。糖尿病ケトアシドーシスの代謝性アシドーシスを、換気を増やして二酸化炭素を排出することで代償しています。
解説
血液が酸性に傾いたため、二酸化炭素を多く吐き出して補おうとしている呼吸です。インスリンを中止したことで脂肪の分解が進み、ケトン体が増えて糖尿病ケトアシドーシスに陥ったと考えられます。深く大きな呼吸が規則正しく続くのはクスマウル呼吸と呼ばれ、代謝性アシドーシスを呼吸で代償する反応です。呼気の甘い臭いはケトン体のアセトンによるものです。
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