重荷電粒子と物質の相互作用について正しいのはどれか。
重荷電粒子と物質の相互作用について正しいのはどれか。
- ⑴ 飛程は物質の密度に比例する。飛程は物質の密度に反比例します。密度が高いほど短くなります。
- ⑵ 水中では多重散乱の飛跡を示す。質量が大きいため散乱をほとんど受けず、ほぼ直線的に進みます。
- ⑶ 質量衝突阻止能は速度に比例する。質量衝突阻止能は速度の2乗に反比例します。比例ではありません。
- ⑷ エネルギー損失は主に放射損失である。エネルギー損失は電離と励起による衝突損失が主体です。放射損失は電子で問題になります。
- ⑸ 重荷電粒子の比電離は飛程終端部で急激に増大する。速度が落ちるほど電離が増え、飛程の終端でBraggピークとして急激に大きくなります。
解説
正解は⑸です。重荷電粒子は速度が落ちるほど物質と相互作用する時間が長くなり、単位長さあたりに作るイオン対の数、すなわち比電離が大きくなります。そのため飛程の終端の手前で急激に電離が増え、Bragg ピークとして現れます。これが粒子線治療の基礎です。飛程は密度に反比例し、質量が大きいので散乱をほとんど受けず直線的に進みます。質量衝突阻止能は速度の2乗に反比例し、エネルギー損失は放射損失ではなく電離と励起による衝突損失が主体です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp220421-06.html)を加工して作成