この薬物治療及び栄養療法について、薬剤師が患者へ説明する内容として適切なのはどれ…
29 歳男性。身長 170 cm、体重 47 kg。喫煙 20 本/日。腹痛、反復する下痢、体重減少を認めたため近所の消化器内科を受診した。内視鏡検査を実施したところ、クローン病と診断され、以下の処方1 ~3 の薬剤で治療を開始することになった。なお、重症度分類では軽症~中等症であった。(検査値)赤血球 450 × 10⁴/μL、白血球 7,800/μL、血小板 16.8 × 10⁴/μL、Hb 14.1 g/dL、血清クレアチニン 0.83 mg/dL、AST 21 IU/L、ALT 22 IU/L、CRP 1.5 mg/dL(処方1 )ブデソニド腸溶性顆粒充填カプセル3 mg 1 回3 カプセル(1 日3 カプセル)1 日1 回 朝食後 7 日分(処方2 )ペンタサ錠 500 mg(注 1) 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 7 日分(注1 :1 錠中にメサラジン 500 mg を含有する)(処方3 )エレンタール配合内用剤(注 2)80 g 1 回1 袋(1 日3 袋)1 日3 回 朝昼夕 7 日分(注2 :成分栄養剤)
この薬物治療及び栄養療法について、薬剤師が患者へ説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 処方1 の薬剤は症状が改善しても、寛解維持のために長期的に服薬を継続する必要がある。ブデソニド腸溶性顆粒は軽症〜中等症の寛解導入に用いる薬で、長期の寛解維持には用いません。
- ⑵ 処方2 の錠剤を粉砕したり、口腔内で噛み砕いたりしないで服用する。ペンタサ錠は徐放性製剤のため、粉砕したり噛み砕いたりせずに服用するよう説明するのは適切です。
- ⑶ 処方3 の薬剤は、脂肪分をほとんど含んでいないため、腸への負担が少ない。エレンタールは脂肪含量が極めて少ない成分栄養剤で、腸管への負担が少ないため適切な説明です。
- ⑷ 処方3 の薬剤は、下痢症状を改善する作用がある。エレンタールは栄養剤であり止瀉作用はなく、高浸透圧のためむしろ下痢を起こすことがあります。
- ⑸ 食事は食物繊維を多く含むメニューとするのが望ましい。クローン病では腸管狭窄への配慮から低残渣食が望ましく、食物繊維の多い食事は推奨されません。
解説
正解は⑵と⑶です。ペンタサ錠はエチルセルロースで被覆された時間依存性の徐放性製剤で、小腸から大腸まで広くメサラジンを放出させるため、粉砕したり噛み砕いたりせずに服用します。エレンタールは成分栄養剤で脂肪含量が極めて少なく、消化をほとんど必要としないため腸管への負担が少なく、クローン病の栄養療法に用いられます。ブデソニド腸溶性顆粒は寛解導入に用いる薬で長期の寛解維持には用いません。食事は低脂肪・低残渣が望まれます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成