酵素Aと酵素Bは、骨格筋又は肝臓に含まれる解糖系の酵素で、グルコースからグルコー…
酵素Aと酵素Bは、骨格筋又は肝臓に含まれる解糖系の酵素で、グルコースからグルコース 6-リン酸を生成する反応を触媒する。グルコース濃度に対する酵素Aと酵素Bの相対酵素活性は、下図のようになる。相対酵素活性は、反応初速度 V0 を最大反応速度 Vmax で除した値である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 酵素Aは、基質であるグルコースとの親和性が酵素Bより低い。酵素A(グルコキナーゼ)はKmが大きく、グルコースとの親和性が酵素Bより低いです。
- ⑵ グルコース濃度が5 mmol/L から 10 mmol/L に増加すると、酵素Bの反応初速度は約2 倍になる。酵素Bは5 mmol/Lでほぼ飽和しているため、濃度を倍にしても初速度はほとんど増えません。
- ⑶ 酵素Aは、グルコース-6-ホスファターゼである。酵素Aはグルコキナーゼです。グルコース-6-ホスファターゼは逆反応(脱リン酸化)を触媒します。
- ⑷ 酵素Bが触媒する反応は、グルコース 6-リン酸の濃度が上昇すると抑制される。酵素B(ヘキソキナーゼ)は生成物のグルコース6-リン酸によるフィードバック阻害を受けます。
- ⑸ 酵素Aは、主に骨格筋に含まれる。酵素A(グルコキナーゼ)は主に肝臓や膵β細胞に含まれ、骨格筋に多いのはヘキソキナーゼです。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑷です。グルコースをリン酸化してグルコース6-リン酸を生成する酵素には、肝臓のグルコキナーゼと骨格筋などのヘキソキナーゼがあります。図から、低濃度で飽和しない酵素Aはグルコースとの親和性が低い(Km約10 mmol/L)グルコキナーゼ、低濃度で飽和する酵素Bは親和性が高い(Km約0.1 mmol/L)ヘキソキナーゼと考えられます。ヘキソキナーゼは生成物のグルコース6-リン酸で阻害されます。酵素Bは5 mmol/Lですでにほぼ飽和しているため、10 mmol/Lにしても初速度は2倍になりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成