1 mol の金属イオン M と n mol の配位子 L は次のように反応して…
1 mol の金属イオン M と n mol の配位子 L は次のように反応して錯体 MLn を生成する。最終反応生成物の MLn は L と反応しないものとし、また、K は逐次安定度定数を表すものとすると、この錯体生成反応に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、M、L 及び ML のモル濃度はそれぞれ[M]、[L]及び[ML]と表すものとする。⇄K1M + L ML⇄K2ML + L ML2…⇄KnMLn-1 + L MLn
- ⑴ M と L との間で形成される配位結合は、共有結合の一種である。([M][L])/([ML])配位結合は一方の原子が電子対を供与して共有する結合で、共有結合の一種です。
- ⑵ K1 は、K1 = ― によって表される。K₁は[ML]/([M][L])で表され、選択肢の式は分子と分母が逆になっています。
- ⑶ 全安定度定数 βn は、βn = K1 + K2 + … + Kn によって表される。全安定度定数βₙは逐次安定度定数の和ではなく積(K₁K₂…Kₙ)です。
- ⑷ M はルイス塩基、L はルイス酸である。電子対を受け取る金属イオンMがルイス酸、電子対を与える配位子Lがルイス塩基で、逆です。
- ⑸ 最終反応生成物の MLn は、L が単座配位子であるより、多座配位子である方が錯体としての安定度が高い。多座配位子はキレート効果により、単座配位子より安定度の高い錯体を形成します。
解説
正解は⑴と⑸です。配位結合は一方の原子が電子対を提供して共有する結合で、共有結合の一種です。逐次安定度定数はK₁=[ML]/([M][L])で表され、全安定度定数βₙは各逐次安定度定数の積(βₙ=K₁K₂…Kₙ)です。錯体形成では、電子対を受け取る金属イオンMがルイス酸、電子対を与える配位子Lがルイス塩基です。多座配位子はキレート環を形成し、エントロピー的に有利となるため、単座配位子より安定な錯体を作ります。これをキレート効果といいます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成