この定量法に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
次の記述は、日本薬局方水酸化ナトリウムの定量に関するものである。この水酸化ナトリウム(NaOH:40.00)は不純物として炭酸ナトリウム(Na2CO3:105.99)のみを含むものとし、下線部イ及びエの時点をそれぞれ第一中和点、第二中和点とする。本品約 1.5 g を精密に量り、新たに煮沸して冷却した水 40 mL を加えて溶かし、15 ℃ に冷却した後、フェノールフタレイン試液2 滴を加え、ア0.5 mol/L 硫酸で滴定し、イ液の赤色が消えたときの 0.5 mol/L 硫酸の量をウA(mL)とする。さらにこの液にメチルオレンジ試液2 滴を加え、再び 0.5 mol/L 硫酸で滴定し、エ液が持続する淡赤色を呈したときの 0.5 mol/L 硫酸の量を B(mL)とする。(A-B)mL から水酸化ナトリウム(NaOH)の量を計算する。0.5 mol/L 硫酸1 mL = オ mg NaOH
この定量法に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 日本薬局方において、下線部アの標準液の標定に用いられる標準試薬と 0.5 mol/L 塩酸の標定に用いられる標準試薬は同じである。0.5 mol/L硫酸と0.5 mol/L塩酸は、いずれも標準試薬の炭酸ナトリウムを用いて標定します。
- ⑵ 下線部イでは、本品の量が異なっても第一中和点となる pH の値は変化しない。第一中和点の液はほぼNaHCO₃溶液となり、pHは濃度によらず約8.3でほぼ一定です。
- ⑶ 0.5 mol/L 硫酸の代わりに 0.5 mol/L 硫酸とファクターが同じ 0.5 mol/L 塩酸を用いても、滴定量は下線部ウの液量と変わらない。0.5 mol/L塩酸のH⁺濃度は0.5 mol/L硫酸の半分なので、滴定量は約2倍になります。
- ⑷ 下線部エは、メチルオレンジのほとんどが化学構造bからaに変化した結果である。第二中和点の淡赤色は、メチルオレンジが酸性型(赤色の構造)へ変化したことによるもので、図の構造の対応からこの記述は誤りとされます。
- ⑸ 空欄 オ に入れるべき数字は、80.00 である。0.5 mol/L硫酸1 mLはH⁺ 1 mmolでNaOH 1 mmol(40.00 mg)に対応するため、80.00ではありません。
解説
正解は⑴と⑵です。日本薬局方では0.5 mol/L硫酸と0.5 mol/L塩酸はいずれも標準試薬の炭酸ナトリウムで標定します。第一中和点ではNaOHの中和とNa₂CO₃→NaHCO₃の反応が終わり、液はほぼNaHCO₃溶液となるため、pHは試料量によらずほぼ一定(約8.3)です。0.5 mol/L硫酸は二塩基酸でH⁺が1 mol/Lに相当するため、0.5 mol/L塩酸では滴定量が約2倍になります。H⁺ 1 mmolはNaOH 1 mmolに当たるので、オは40.00 mgです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成