電解質のモル伝導率に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
電解質のモル伝導率に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ モル伝導率は、電気伝導率をモル濃度(mol/m³)で割ったものである。モル伝導率は電気伝導率をモル濃度で割った値(Λ=κ/c)として定義されます。
- ⑵ NaCl のモル伝導率は、NaOH のモル伝導率よりも大きい。OH⁻はCl⁻より極限モル伝導率がはるかに大きいため、NaOHのモル伝導率の方が大きくなります。
- ⑶ モル伝導率を濃度の平方根に対してプロットし、濃度ゼロへ外挿したときの切片の値は極限モル伝導率を表す。Λを√cに対してプロットし濃度ゼロへ外挿した切片が極限モル伝導率Λ₀を表します。
- ⑷ モル伝導率を濃度の平方根に対してプロットしたとき、希薄溶液では直線関係が成立する法則をデバイ・ヒュッケルの極限則という。この直線関係はコールラウシュの平方根則です。デバイ・ヒュッケルの極限則は活量係数に関する式です。
- ⑸ H⁺ の極限モル伝導率が K⁺ より大きいのは、H⁺ のイオン半径が K⁺ のイオン半径より小さいことによるものである。H⁺の伝導率が大きいのは、水分子間でプロトンが受け渡されるグロッタス機構によるものです。
解説
正解は⑴と⑶です。モル伝導率Λは電気伝導率κをモル濃度cで割った値(Λ=κ/c)です。強電解質の希薄溶液では、Λを濃度の平方根に対してプロットすると直線となり(コールラウシュの平方根則)、濃度ゼロへ外挿した切片が極限モル伝導率になります。この直線関係はデバイ・ヒュッケルの極限則ではありません。H⁺やOH⁻は水素結合網を介したプロトンの受け渡し(グロッタス機構)で移動するため極限モル伝導率が特に大きく、NaOHのモル伝導率はNaClより大きくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成