この患者に下記の薬剤が処方された。薬剤師による服薬指導内容として誤っているのはど…
38 歳男性。身長175 cm、体重65 kg。腎機能及び肝機能は正常。仕事で海外出張が多く疲労気味だった。帰国後、37 ℃台の微熱と痰がからむ咳が2 週間続き、近医を受診した。胸部X 線検査の結果、肺に空洞を伴う結節性陰影を認めたため総合病院を紹介受診し、諸検査を受けたところ肺結核と診断された。
この患者に下記の薬剤が処方された。薬剤師による服薬指導内容として誤っているのはどれか。1つ選べ。(処方1 )リファンピシンカプセル150 mg 1 回3 カプセル(1 日3 カプセル)イソニアジド錠100 mg 1 回3 錠(1 日3 錠)エタンブトール塩酸塩錠250 mg 1 回3 錠(1 日3 錠)ピラジナミド散 1 回1.5 g(1 日1.5 g)1 日1 回 朝食前 7 日分(処方2 )ピリドキサールリン酸エステル水和物錠10 mg1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 7 日分
- ⑴ 視覚障害を起こすことがあるので、視力の低下に注意するよう指導する。エタンブトールは視神経障害による視力低下や視野異常を起こすことがあり、正しい指導内容です。
- ⑵ マグロを食べると頭痛が出現することがあるので、食べ過ぎないよう指導する。イソニアジドはヒスタミンの代謝を妨げ、マグロなどの摂取で頭痛や紅潮を起こすことがあるため正しい指導です。
- ⑶ 全身倦怠感、黄疸、皮膚のかゆみが出現したら、すぐに連絡するように指導する。抗結核薬は肝障害を起こしやすく、倦怠感や黄疸などが出たら連絡するよう指導するのは正しい内容です。
- ⑷ 尿や汗が赤く着色することを説明する。リファンピシンにより尿や汗、涙などが橙赤色に着色するため、事前に説明しておくのは正しい内容です。
- ⑸ 処方2 の薬剤は貧血予防のために処方されていることを説明する。ビタミンB6はイソニアジドによる末梢神経障害の予防目的で処方されており、貧血予防という説明は誤りです。
解説
正解は⑸です。処方2のピリドキサールリン酸エステルはビタミンB6製剤で、イソニアジドによるビタミンB6欠乏が原因の末梢神経障害を予防する目的で処方されており、貧血予防のためではありません。エタンブトールは視神経炎による視力低下、イソニアジドはMAO阻害作用によりマグロなどヒスチジンを多く含む魚でヒスタミン中毒様の頭痛や紅潮を起こすことがあります。リファンピシンなどによる肝障害の症状や、尿・汗の赤色着色の説明も必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成