薬局薬剤師から患者への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。
58 歳男性。身長165 cm、体重85 kg。2 年前より2 型糖尿病と診断され、以下の内服治療を行ってきた。(処方1 )シタグリプチンリン酸塩錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方2 )ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠10 mg1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方3 )メトホルミン塩酸塩錠500 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分今回患者がかかりつけ薬局に処方箋を持参した際、薬局薬剤師は、処方1 ~処方3 が処方2 ~処方4 に変更されていることを確認した。(処方4 )セマグルチド(遺伝子組換え)皮下注2 mg 1 キット週に1 回0.25 mg 皮下注射薬局薬剤師が患者に確認したところ、患者からは「医師から血糖コントロールが不十分と言われた。低血糖の症状はない。ただどうしても食事の量を減らすことができない。体重がまた少し増えた。」との情報が得られた。
薬局薬剤師から患者への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 処方4 のお薬は処方1 のお薬を週1 回にした注射薬です。シタグリプチンはDPP-4阻害薬で、GLP-1受容体作動薬のセマグルチドを週1回にしたものではありません。
- ⑵ 処方1 のお薬から処方4 のお薬に変更しても、低血糖には十分に注意してください。セマグルチド自体は低血糖を起こしにくいですが、他の糖尿病薬との併用で起こりうるため注意が必要です。
- ⑶ 処方4 のお薬は処方2 のお薬と同じように、利尿作用があるので脱水に注意してください。利尿作用で脱水に注意が必要なのはSGLT2阻害薬で、セマグルチドに利尿作用はありません。
- ⑷ 処方4 のお薬は注射の前後で血糖自己測定を忘れずに行ってください。セマグルチドは血糖依存的に作用する週1回製剤で、注射のたびに前後で血糖自己測定を行う必要はありません。
- ⑸ 処方4 のお薬は週1 回同じ曜日に注射してください。週1回投与の製剤なので、投与忘れを防ぐため毎週同じ曜日に注射するよう指導します。
解説
正解は⑵と⑸です。処方4のセマグルチドはGLP-1受容体作動薬で、血糖依存的にインスリン分泌を促すため単独では低血糖を起こしにくいものの、メトホルミンやSGLT2阻害薬と併用しているため、低血糖症状には引き続き注意が必要です。週1回製剤なので、毎週同じ曜日に注射するよう指導します。処方1のシタグリプチンはDPP-4阻害薬で、セマグルチドとは別の薬です。またセマグルチドに利尿作用はなく、注射の前後で毎回血糖を測る必要もないと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成