この患者に対する服薬指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
25 歳女性。身長153 cm、体重40 kg。19 歳のときにクローン病と診断され、メサラジンとアザチオプリンによる併用療法を実施していたが、効果不十分のため1 年前よりアダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注が追加となった。2 週間前より、発熱、腹痛及び下痢があり検査目的で入院となった。内視鏡検査の結果、症状が悪化していることが分かり、アダリムマブが以下の処方1 に変更されるとともに、処方2 が追加された。(処方1 )ウステキヌマブ(遺伝子組換え)130 mg 1 日1 回2 バイアル生理食塩液250 mL 点滴静注 1 回分(処方2 )エレンタール配合内用剤※80 g1 回1 袋(1 日3 袋)朝昼夕 7 日分※成分栄養剤
この患者に対する服薬指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ メサラジンと処方1 の薬剤との相互作用による重篤な副作用がないこと。ウステキヌマブとメサラジンの併用で重篤な副作用を生じる相互作用は知られておらず、説明として適切です。
- ⑵ 処方1 の薬剤への変更後は、妊娠を気にしなくてよいこと。妊娠中の安全性は確立していないため、妊娠を希望する場合や妊娠した場合は医師に相談する必要があります。
- ⑶ 処方1 の薬剤はアダリムマブとは異なり、感染症のリスクがないこと。ウステキヌマブも免疫を抑える生物学的製剤であり、重篤な感染症のリスクがあります。
- ⑷ 処方2 の薬剤は腸への負担が少ないこと。成分栄養剤は消化をほとんど必要とせず低脂肪・低残渣のため、腸管への負担が少なく安静を保てます。
- ⑸ 処方2 の薬剤を水や微温湯に溶解後、時間をかけずにすばやく飲み干すこと。浸透圧が高く、急いで飲むと下痢や腹部膨満を起こしやすいため、時間をかけてゆっくり飲むよう指導します。
解説
正解は⑴と⑷です。ウステキヌマブとメサラジンの間に重篤な副作用を生じる相互作用は知られていません。エレンタールは消化をほとんど必要としない成分栄養剤で、脂肪をほとんど含まず残渣も少ないため、腸管の安静を保ちながら栄養を補給でき、腸への負担が少ない薬剤です。ただし浸透圧が高いため、一度に急いで飲むと下痢や腹部膨満を起こしやすく、時間をかけてゆっくり飲むよう指導します。ウステキヌマブにも感染症のリスクがあり、妊娠についても相談が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成