処方1 ~6 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
52 歳女性。40 歳時に気管支ぜん息と診断された。現在、処方1 ~5 の薬剤を服用しており、アドヒアランスは良好であるが、ぜん息発作で頻回に入院していた。今回、ぜん息発作のコントロール目的で入院となり、処方6 が追加された。(処方1 )アドエア500 ディスカス(注1)28 吸入用 1 個1 回1 吸入 1 日2 回朝・夕吸入(注1 ) 1 回サルメテロールとして50 μg 及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500 μg(処方2 )スピリーバ2.5 μg レスピマット(注2)60 吸入 1 本1 回2 吸入 1 日1 回 朝吸入(注2 )1 回チオトロピウムとして2.5 μg(処方3 )テオフィリン徐放錠200 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝食後及び就寝前(処方4 )モンテルカスト口腔内崩壊錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前(処方5 )プロカテロール塩酸塩水和物エアゾール10 μg 1 本1 回2 吸入 ぜん息発作時(処方6 )オマリズマブ(遺伝子組換え)皮下注150 mg シリンジ 3 本1 回450 mg 11:00 に皮下投与
処方1 ~6 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ トロンボキサン合成酵素を阻害することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。トロンボキサン合成酵素阻害はオザグレルの作用で、処方1〜6の薬物には含まれません。
- ⑵ アデノシンA1 受容体を遮断して、気管支平滑筋の収縮を抑制する。テオフィリンはアデノシンA1受容体を遮断する作用をもち、気管支平滑筋の収縮を抑制します。
- ⑶ 2 型ヘルパーT 細胞(Th2 細胞)におけるIL-5 の産生を抑制することで、肺への好酸球浸潤を抑制する。Th2細胞のIL-5産生抑制はスプラタストの作用で、処方1〜6の薬物には含まれません。
- ⑷ IgE に結合して、IgE が肥満細胞膜上のIgE 受容体に結合するのを阻害することで、炎症性メディエーターの産生を抑制する。オマリズマブは遊離IgEに結合し、肥満細胞のIgE受容体への結合を阻害して炎症性メディエーターの遊離を抑えます。
- ⑸ IL-5 に結合して、IL-5 が好酸球の細胞膜上のIL-5 受容体に結合するのを阻害することで、血中の好酸球数を減少させる。IL-5に結合して好酸球を減らすのはメポリズマブの作用で、処方1〜6の薬物には含まれません。
解説
正解は⑵と⑷です。処方薬のうちテオフィリンはホスホジエステラーゼ阻害に加え、アデノシンA1受容体の遮断作用をもち、気管支平滑筋の収縮を抑えると考えられています。オマリズマブは血中の遊離IgEに結合し、IgEが肥満細胞などの高親和性IgE受容体に結合するのを妨げて、ケミカルメディエーターの遊離を抑えます。トロンボキサン合成酵素阻害はオザグレル、IL-5産生抑制はスプラタスト、IL-5への結合はメポリズマブの作用で、いずれも処方には含まれていないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成