その後、詳細な検査も行い、患者はスギ花粉症と診断され、薬物療法による治療を受けて…
30 歳男性。2 月から突然のくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出始め、仕事にも集中できなくなり、翌月に近所の耳鼻科医院を受診した。その場で、簡便なアレルギー検査を行うことになった。この検査キットは、抗原抗体反応を利用したクロマトグラフィーの原理を用いている。患者の血液サンプルを用いた約20 分の検査で、ハウスダスト系(ヤケヒョウヒダニ、ゴキブリ、ネコ皮屑、イヌ皮屑)、花粉系(スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ)の計8 種類のアレルゲンに対するアレルギーの有無を判定できる。図の検体(血液)滴下部にこの患者の血液サンプルを滴下して5 分待ち、続いて展開液滴下部にキットの展開液を滴下して15 分待ち、判定部に出現するバンドを確認したところ、下図のように、C(コントロール)以外に1 本のバンドが認められた。アレルギー迅速検査キットC ― Cネコダニ ― ヨモギイヌ 判定部カモガヤブタクサ ― ゴキブリスギ (Cはコントロール判定)検体(血液)滴下部展開液滴下部
その後、詳細な検査も行い、患者はスギ花粉症と診断され、薬物療法による治療を受けていた。患者から薬を服用すると眠気があり仕事に差し支えることが多いとの訴えがあったので、医師はスギ花粉飛散シーズン後に舌下免疫療法を勧めていた。今回、舌下免疫療法による治療が開始されることになり、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。なお、初回である翌朝の分は処方した耳鼻科医の前で服用する予定である。また、薬剤師は、この処方医が舌下免疫療法に関する講習を修了していることを確認した。(処方)シダキュアスギ花粉舌下錠(注)2,000 JAU 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 7 日分(注:スギ花粉症の減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬)この患者への舌下免疫療法に関する説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 舌の下に薬を置き、保持した後、飲み込みます。説明は正しいです。舌の下に1分間保持したあと飲み込みます。
- ⑵ 服用前後は、激しい運動を避けてください。説明は正しいです。服用前後の激しい運動はアレルギー反応を強めるおそれがあるため避けます。
- ⑶ スギ花粉症に対する治療薬で、すべてのアレルギーに対して有効とはいえません。説明は正しいです。本剤はスギ花粉症の治療薬で、他のアレルギーへの効果は期待できません。
- ⑷ 口の中に傷や炎症があるとき、医師や薬剤師に相談してください。説明は正しいです。口内に傷や炎症があるとアレルゲンの吸収が増えるおそれがあるため相談してもらいます。
- ⑸ この薬は、次回から段階的に成分量を減らしていきます。誤りです。2週目以降は5,000 JAUの維持量に増量して服用を続けるため、減らしていくのではありません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。シダキュアスギ花粉舌下錠は、投与開始後1週間は2,000 JAUを1日1回服用し、2週目以降は維持量の5,000 JAUに増量して長期間続けます。次回から段階的に成分量を減らすという説明は誤りです。そのほかの説明は正しく、舌下に1分間保持したあと飲み込み、服用前後2時間程度は激しい運動や入浴、飲酒を避けます。本剤はスギ花粉症に対する薬で他のアレルギーには効果が期待できず、口の中に傷や炎症があるときは服用前に医師や薬剤師に相談するよう伝えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成