HbA1c に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
糖化反応は生体内や食品中で起こる普遍的な反応である。糖尿病の診断に用いられ、血糖コントロールの状態を把握するマーカーである糖化ヘモグロビン(HbA1c)の生成にも、この反応が関わっている。
HbA1c に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ HbA1c の生成には酵素が必要である。HbA1cはグルコースとヘモグロビンが酵素を介さずに結合する非酵素的糖化反応で生成します。
- ⑵ HbA1c の生成はグルコース濃度に依存する。非酵素的反応のため、HbA1cの生成量は血中グルコース濃度とその持続時間に依存します。
- ⑶ HbA1c は、非酵素的にグルコースとヘモグロビンAに解離する。アマドリ転位後のケトアミン構造は安定で、グルコースとヘモグロビンに容易には解離しません。
- ⑷ グルコースは、赤血球内に移行しにくいので、HbA1c の生成には2 ~3 ヶ月を要する。グルコースはGLUT1で赤血球に容易に入ります。HbA1cが長期の指標となるのは赤血球寿命によります。
- ⑸ HbA1c 値は、赤血球寿命の影響を受ける。HbA1cは赤血球の寿命の間に蓄積するため、溶血などで寿命が短くなると低値になります。
解説
正解は⑵と⑸です。HbA1cは、赤血球内のヘモグロビンAのβ鎖N末端のバリンにグルコースが酵素を介さずに結合し、シッフ塩基を経てアマドリ転位により安定なケトアミンとなったものです。生成量は血中グルコース濃度と、それにさらされた時間に依存します。いったん生成すると解離しにくく、赤血球の寿命(約120日)にわたって残るため、過去1〜2か月の平均血糖を反映します。グルコースはGLUT1で赤血球に容易に入るので、溶血性貧血などで寿命が短いと低値になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成