薬剤師のこの患者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
45 歳男性。体重45 kg。10 年前に全結腸型潰瘍性大腸炎と診断され、寛解・再燃を繰り返した後、メサラジン1,500 mg/日、アザチオプリン50 mg/日で寛解維持されていた。2 ヶ月前より大腸炎が再燃し、上の処方で効果不十分であったため、以下の処方にて寛解導入することになった。(処方1 )タクロリムスカプセル1 mg 1 回1 カプセル(1 日2 カプセル)1 日2 回 朝夕食後 3 日分(処方2 )アダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注80 mg ペン0.8 mL 1 回160 mg2 本(1 回分)
薬剤師のこの患者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 処方1 の薬剤は血中濃度を測定しながら服用カプセル数を調節します。タクロリムスは血中トラフ濃度を測定しながら服用量を調節します。
- ⑵ 処方1 の薬剤は腎障害が起こりやすいので、尿量の減少などがあれば薬剤師に相談してください。タクロリムスは腎障害を起こしやすいため、尿量の減少などがあれば相談するよう伝えます。
- ⑶ 処方1 の薬剤は低血糖になりやすいので、異常な空腹感や冷や汗、動悸があるときはすぐに糖分を摂取してください。タクロリムスはインスリン分泌を抑え、低血糖ではなく高血糖を起こしやすい薬です。
- ⑷ 処方2 の薬剤は今回のみの使用で終了します。アダリムマブは初回160 mg、2週後に80 mg、その後は40 mg を2週ごとに継続して投与します。
- ⑸ 処方2 の薬剤の使用直後に、まれにふらつきや息苦しさを感じることがありますが、しばらく安静にすると自然に治まります。使用直後のふらつきや息苦しさはアナフィラキシーの可能性があり、すぐに医療機関に連絡するよう指導します。
解説
正解は⑴と⑵です。タクロリムスは有効域と中毒域が近く、個人差も大きいため、潰瘍性大腸炎の寛解導入では血中トラフ濃度を測定しながら投与量を調節します。副作用として腎障害が起こりやすく、尿量の減少やむくみがあれば相談するよう伝えます。また、タクロリムスでは低血糖ではなく高血糖が起こりやすい点に注意します。アダリムマブは初回160 mg の後、継続して投与します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成