薬物依存及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
薬物依存及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 身体依存は、薬物の反復使用により、その効果が減弱し目的の効果を得るために増量しなければならなくなった状態である。効果が減弱して増量が必要になる状態は耐性です。身体依存は中断で退薬症状が出る状態を指します。
- ⑵ コカインの長期連用は、精神依存を起こすが、身体依存を起こしにくい。コカインは強い精神依存を起こしますが、身体依存は起こしにくいとされています。
- ⑶ 慢性疼痛下のがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくい。慢性疼痛のあるがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくいことが知られています。
- ⑷ 依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。依存性薬物は脳内報酬系のドパミン作動性神経を抑制するのではなく、活性化します。
- ⑸ ジスルフィラムは、グルタミン酸NMDA 受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する。ジスルフィラムはアルデヒド脱水素酵素を阻害する抗酒薬です。NMDA 受容体に作用して飲酒欲求を抑えるのはアカンプロサートです。
解説
正解は⑵と⑶です。コカインはドパミンなどの再取り込みを阻害する中枢興奮薬で、強い精神依存を起こしますが、中断しても明らかな退薬症状は現れにくく、身体依存は起こしにくいとされます。がんの慢性疼痛下でモルヒネを適正に使用した場合は、痛みによって報酬系の活性化が抑えられるため、精神依存はほとんど起こりません。依存性薬物は脳内報酬系のドパミン神経を活性化します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成