薬剤師の患者への説明として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
38 歳女性。腰痛のため近医を受診したところ以下の薬剤を処方され、1 歳0 ヶ月の幼児(体重9 kg)を伴って薬局を訪れた。(処方)アセトアミノフェン錠200 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)1 日2 回 朝夕食後 7 日分幼児は、1 回の授乳で200 mL 程度の母乳を飲むことがあるとのこと。母乳による育児の継続を強く望んでいるが、薬の服用後に母乳中に薬が移行して子どもに影響することに不安を持っているとのことであった。アセトアミノフェンの乳汁/血漿中薬物濃度比は0.91~1.4 とされている。また、アセトアミノフェン錠の添付文書から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。【薬物動態】成人にアセトアミノフェン400 mg を経口単回投与後の最高血漿中濃度は9.0 μg/mL であり、投与12 時間後には血漿中からほぼ完全に消失していた。【用法・用量】通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1 kg あたり1 回10~15 mg を経口投与する。
薬剤師の患者への説明として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 母乳中への薬物の移行量が多いので、処方の中止を医師に連絡する必要があります。母乳中への移行量は幼児の治療量の約3%と少なく、処方を中止する必要はありません。
- ⑵ 母乳中への薬物の移行量は少量ですが、授乳は中止してください。移行量が少なく安全性も高いため、授乳を中止する必要はありません。
- ⑶ 母乳と粉ミルクで育児に大きな違いはないので、授乳を中止するのが無難です。母乳育児には利点があり、患者も継続を強く望んでいるため、安易に授乳中止を勧めるのは不適切です。
- ⑷ 母乳中への薬物の移行量は少量であり、薬剤服用中でも授乳可能です。母乳中への移行量は少量で、アセトアミノフェン服用中でも授乳を続けることができます。
- ⑸ ロキソプロフェン錠に変更すれば、母乳中に薬物が移行しないので安全です。ロキソプロフェンも母乳中にわずかに移行し、移行しないから安全という説明は誤りです。
解説
正解は⑷です。前問の計算から、母乳を介して幼児が摂取するアセトアミノフェンは、幼児の最低治療量の最大でも約3%程度とごく少量です。アセトアミノフェンは乳幼児にも使われる安全性の高い薬で、授乳中でも使用可能とされています。そのため、母乳による育児の継続を望む患者には、服用中でも授乳を続けられると説明するのが適切です。処方の中止や授乳の中止を勧める必要はなく、ロキソプロフェンでも母乳中への移行がゼロになるわけではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成